ハワイ・マウイ島の火災が広がってしまった理由とは?
2023年8月8日、ハワイ・マウイ島西部のラハイナを火災が襲いました。
翌日9日にマウイ郡当局が発表した内容では、現地から集まった情報はかなり被害の規模が大きかったと感じさせられたといえます。
このマウイ島の山火事ですが、出火原因は現在も調査が続けられている状態です。
ただ、地球温暖化により、以前よりも山火事の影響を受けやすくなっているといえるでしょう。
そこで、ハワイ・マウイ島の火災が広がってしまった理由などについて、説明していきます。
マウイ島の脆弱性が増している
ハワイ諸島は、昔から不毛な溶岩原と乾燥した草原が広がっている場所です。
同じ島でも、降水量は片側と反対側で異なることが特徴といえますが、最近では年間平均降水量が長期的に減少しています。
また、雲の厚みも薄くなったことや、気温上昇で干ばつなども見られるようになったなど、ハワイを取り巻く環境が変化しているといえるでしょう。
ハワイで破壊的な火災が急増しているなど、数年前からマウイ島の脆弱性が増している状態です。
山火事発生のリスクを減らすためは、火災の燃料となる草への対策が重要といえます。
火災規模が膨れ上がる理由
多数の死者を出したマウイ島の山火事は、外来植物によって規模が膨れ上がる可能性があるとも考えられています。
プランテーションのある土地に生えている草の多くは、土地を所有する大企業が未管理で放置されてきました。
山火事で大部分が焼失してしまったラハイナでは、侵略的な草が町上の斜面を覆い続け、住宅地のすぐ近くまで広がっている状態ともいわれています。
草の危険性は以前から警告されていた
草の危険性は、以前から警告されていました。
懸念が高まったのは1990年代にプランテーションの衰退が始まってからです。
世界中から移民労働者を迎え入れ、200年近く、ハワイを作った農業モデルは終焉を迎えることになりました。
さとうきびやパイナップルのプランテーションが閉鎖するのに代わり、重要性が増したのは観光業で、熱帯の草地が手入れされず広がり続けることになったといえます。
ハワイ諸島の大雨は外来種の草を1日で15センチ成長させることがあり、その後で到来した乾季により、草が燃えて山火事を発生させます。
荒廃した後は外来種の草がすぐに芽を出してまた広がり、山火事へ適応力に劣る在来種の植物に取って代わり山火事サイクルを破壊的なものへと発展させてしまうでしょう。
悪循環を抑えるためには、防火帯の設置や山火事耐性のより強い植物の導入、草の管理などが重要です。
道路脇に急速に広がった草は、着火剤の役割を果たしている状態であるといえるものの、外来植物の広がりを食い止めるためには費用がかかるため、金銭面の問題なども解決させていく必要があるといえるでしょう。