自転車保険
自転車は身近な移動手段として、小さい子供からお年寄りまで便利に活用されている乗り物です。
毎日の通学や通勤、趣味のサイクリングなど、目的は色々ですが、身近で親しみやすい乗り物なのであまり危険性を自覚していない人も多くいます。
実際のところ、自転車は交通法上軽自動車としての扱いですので、歩行者にぶつかってしまった場合などは双方がケガを負うだけでなく、自動車と同様に罰則規定が定められていることで自転車の運転者に賠償責任が生じる可能性があります。
Step1. 自転車事故で発生する費用とは?
相手が大ケガをしてしまった場合など、治療費などの損害賠償が高額になる可能性が高くなります。しかも誰かにケガを負わせるだけでなく、自分がケガを負うことも、 人の家や物を壊してしまうこともあるでしょう。
相手のケガの治療費だけでなく、自分のケガの治療費や壊してしまった物の修理など、色々な金銭的負担が発生する可能性があります。
Step2. 自転車の運転のマナーやルールは守られているとは言えない状況
このような危険性が高い乗り物なので、マナーや走行環境は決して良いとは言えない状況です。法律上は車道を走ることが義務付けられているのに、当然のように歩道を走る自転車もまだ多く存在しています。
スマホなどを操作しながら運転している人や、傘をさしたまま運転している人、挙句の果てには車道を逆走する自転車もいるなど、とにかく危険な運転者が多いと言わざるをえません。
仮に自分かルールやマナーを守って自転車を利用しているから大丈夫と思っていても、相手の不注意で事故に巻き込まれる危険性があるのは自動車と同じです。
さらに歩行者との事故が起きてしまった場合、加害者になるのはほとんどが自転車側になってしまうことを理解しておきましょう。
Step3. 自転車が加害者となった場合に実際に発生した損害賠償金
過去に自転車事故で運転者が加害者となり、高額の損害賠償金が発生したケースは色々あります。
まだ記憶に新しいと思う人もいるかもしれませんが、平成25年神戸地裁による判決で損害賠償額が約9,500万円になった自転車事故は、小学5年生の男の子が坂を高速で下り、歩行者の高齢女性に衝突して意識が戻らない寝たきり状態になった事故がその例です。
他にも平成17年横浜地裁による損害賠償額約5,000万円という判例では、16歳の女子高生が夜間に自転車を携帯操作しながら運転中、歩道を歩いていた57歳の女性に衝突し歩行困難などの後遺症が残ったケースもあります。
Step4. 軽い気持ちの違反が大きな事故に
携帯操作や無灯火、スピードの出し過ぎなど、どれも自分も心あたりがあると感じる人もいるかもしれません。
相手が歩行者の事故を起こしてしまうと、個人でカバーすることが困難になる位の多額の賠償金支払いを命じられる可能性があります。
仮に自転車を運転していたのが上記の例のように未成年であれば、当然親が責任を負うことになるでしょう。
このようなケースに備えるために「自転車保険」への加入が注目されています。
Step5. 自転車保険の補償範囲
自転車保険で補償される範囲は、一般的には次の通りです。
5-1. 加害者の立場になった時の補償
公道で歩行者とぶつかってしまった場合や、自転車同時の事故による治療費や賠償金の支払い、さらに車やガードレールにぶつかってしまった場合や物品を破損した場合などに補償されます。
5-2. 自分のケガに対する補償
自分の過失による落車などでケガをした時に補償されますが、公道走行中にバランスを崩して転倒しケガをしたというケースなどが該当します。入院費や治療費が補償されます。
5-3. 被害者の立場になった時の補償
自動車や他の自転車などによる過失でケガを負った場合に補償されます。入院費や手術費などケガの治療費の補償、さらに弁護士の示談交渉代行サービスを特約として付帯する保険もあります。
5-4. 盗難に遭った時の補償
自転車盗難保険はまだメジャーな保険ではないのですが、自転車が盗難に遭った場合に値段の一部が補償されるというものです。
Step6. どのような人が自転車保険に加入するべきか
自転車に乗り始めたばかりで嬉しくてついスピードを出してしまう可能性があったり、飛び出しなどの事故に巻き込まれる可能性が高かったりと、子供の自転車運転は注意が必要です。注意すると同時に自転車保険には加入しておいたほうが良いでしょう。
そして通学や通勤など、日常的に自転車に乗る機会が多い人はその分事故に遭う確率も高くなると言えます。自転車が趣味という人はその分扱いにも慣れていると言えますが、事故に遭うか遭わないかはわかりません。
また、高額な自転車に乗っていて盗まれてしまう可能性もありますので、自転車の盗難補償特約が付帯できるものや、トラブルに備えてロードサービスがあるものなどを選ぶと良いでしょう。
Step7. 万一の自転車トラブルに備えて加入の検討を
仮に自転車同士がぶつかる事故が起きた場合には、双方の運転者が大ケガを負う可能性もあります。入院・通院補償が手厚く、さらに示談交渉代行サービスなどが付帯されたものが良いと考えられます。
既に自転車を利用している人や、これから利用するという人、どちらも色々なリスクに備えて加入の必要性を考えましょう。