ハワイでイルカとの遊泳は禁止!その背景にあることとは?
2021年10月から、ハワイではイルカと泳ぐことは条例により禁止されています。
この規制は海洋哺乳類保護法に基づくものですが、イルカに関しては次の2つが禁止されています。
・ハワイ諸島の主要な海岸から2海里(4キロ)以内のイルカと泳ぐこと
・50ヤード(46メートル)よりイルカの近くにいること
なぜイルカに関する規制ができたのかというと、近年、野生イルカを利用した営利事業者数が劇的に増えたからといえます。
イルカに触れるだけでなくイルカに乗る姿が目撃されていることや、人気のある2か所のイルカスポットから13億円の収益があったことが確認されたことも関係しているのでしょう。
野生のイルカを保護するためにも、適切な保護措置が必要となるのは当然といえますが、具体的にどのような規制措置となっているのか説明していきます。
イルカと泳ぐこと禁止する規制の内容
イルカと泳ぐことを禁止する規制が適用されるのは、
・ボート
・カヌー
・スタンドアップパドル
・ドローンまたはその他物体
などです。
住民や観光客がイルカと一緒に泳ぐことや、間近で接することを禁止する規制が導入された理由はイルカを守るためといえます。
以前から生物学者らは、イルカが人と関わることでストレスを受けていることに注目していました。
ハシナガイルカは夜行性で、日中には休息したり幼体に餌を与えたりするために海岸に近いエリアに集まります。
しかしその時間に人が近づき、一緒に泳いだり接したりすることはイルカにとって大きなストレスになってしまいます。
今回の規制まで数年かかったようですが、ついに実現した状況にあるといえるでしょう。
ハシナガイルカの特徴
ハシナガイルカはハクジラ類の一種で、熱帯海域に生息しています。
灰色と白色の細身な体を持ち、海面から跳び上がりながら空中で輪を描くように回転します。
ハワイアンハシナガイルカはハシナガイルカの亜種であり、ハワイ諸島全域で見ることができます。
ハワイでイルカを見ることは可能?
今回の規制により、ハシナガイルカの嫌がる行為は一切禁止され、人や船舶がイルカから50ヤード(約46メートル)以内に近づくことはできません。
日中にイルカが沿岸部で休息するため、イルカを対象にした行為があればイルカの健康に影響を及ぼす可能性があるからです。
子どもに餌を与えることをやめてしまうことや、子どもや生息域の放棄など長期的に見て悪い影響が十分考えられます。
イルカなど野生生物を目当てにしたツアーは、イルカから距離を取り行う場合にのみ継続可能としているため、イルカをまったく見ることができなくなったわけではないようです。