ハワイでパッチワークキルトが伝えられた歴史やハワイアンキルトについて紹介

ハワイのパッチワークキルトとして有名なハワイアンキルトは、歴史としてはそれほど古いわけではありません。

そこで、ハワイでパッチワークキルトが伝えられた歴史やハワイアンキルトについて紹介していきます。

ハワイアンキルトの歴史

ハワイアンキルトは、もともと1820年代にニューイングランドから宣教師がキリスト教を広めるために来布し、宣教師の妻たちが現地の女性に裁縫を教えて伝えられたことがはじまりのようです。

アメリカ本土のパッチワークキルトは端切れを幾何学模様につなぎ合わせ、綿と裏地を付けて3層をキルティングしていました。

しかしハワイは温暖な気候であるため、生地が存在しなかったことによりピースワークができず、今のハワイアンキルトの原型になったともいわれています。

ハワイアンキルトには、次の３つの原則があるとされています。

・無地の2色の生地を使用する

・シンメトリーデザインを用いる

・エコーキルトを施す

なお、無地の生地については黒を使用することは禁じられていたとされており、ハワイアンでは悪霊の色という認識があったようです。

黒は夜見えにくく、扱いが難しいといったことも関係しているのでしょう。

薄い色の生地を下地として、濃い色を用いるデザインがほとんどですが、シンメトリーデザインについては8折りされた後にカットされたものが用いられます。

デザインの周辺を何重にも輪取っていくエコーキルトが伝えられた時代には、デザインの上下に格子や四角形のキルティングを施す幾何学模様で作られることもあったようです。

ハワイアンキルトは完成まで長い日数がかかるため、時間をかけて作られた完成したキルトには思いも入るといえます。

そのためキルトの作り手が亡くなったときには、一緒にお棺に入れて焼かれたとも言われています。

現在アンティークキルトが少ないのはこのような理由も関係していると考えられますが、ハワイの博物館や美術館ではコレクションを目にすることも可能です。

そもそもハワイは年中温暖な気候であるため、キルトによる暖かさは必要とされておらず、実用品としてではなくアートとして示されることが多いといえるでしょう。

細かな手法で作られるため、日常使いではなく特別な日のベッドカバーや壁掛けとして、また、娘が嫁ぐときや孫が誕生したときに贈られることが多いようです。