ハワイで目にすることのある「トーテムポール」が建てられた目的やその構成を解説
ハワイに足を運んだとき、ふと「トーテムポール」を目にしたことはないでしょうか。
トーテムポールはカナダを中心とする北米大陸太平洋側の先住民固有の文化とされていますが、いったいなぜ建てられているのでしょう。
そこで、ハワイで目にすることのある「トーテムポール」が建てられた目的やその構成について解説していきます。
トーテムポールの目的
トーテムポールは太平洋岸北西部の先住民の彫刻家たちにより生み出されたモニュメントで、カナダ国内各地で見られます。
ハワイや日本でも目にすることがありますが、その目的として次の3つが挙げられます。
・個人の出自・業績・出来事など伝えるため
・一族の歴史を記録するため
・富の象徴として
それぞれ説明します。
個人の出自・業績・出来事など伝えるため
トーテムポールの目的は、民族ごとに異なるため一様ではありません。
ただ、伝統的なトーテムポールの場合、個人の出自・業績・出来事などを伝えるため、それらを題材としているケースが見られます。
一族の歴史を記録するため
トーテムポール文化のある先住民社会にはクランという氏族制度があり、それぞれ一族を象徴する生き物を持っています。
クランごとに代表する生き物を彫り、自分たちはどの動物の化身なのか、一族の出自を伝えていたとされています。
富の象徴として
トーテムポールは作ることに財力が必要で、建立には多くの招待客を招きもてなすことが必要でした。
そのため富の象徴ともされていたようです。
トーテムポールの構成
トーテムポールは地域や民族によりその構成は異なりますが、その多くは家屋に付随する次の2つに分けられます
・付属柱
・独立柱
家に付属する付属柱の役割は、次の2つです。
・家柱…屋根を支える大黒柱の役割部分
・家屋柱…家の正面壁と一体化しているポール部分
家とは別に位置する屋外の独立柱の役割は次の6つといえます。
・記念柱…何らかの出来事などがあったときの記念とするポール部分
・墓標柱…氏族長などが他界したときの墓石としての役割部分
・墓棺柱…墓標と棺を兼ねるポール部分
・はずかしめのポール…個人や集団に請求する役割部分
・領域柱…漁業権や採集権の主張を意味するポール部分
・歓迎者柱…行事で招待客を歓迎することを意味する部分
家屋柱の最下部には楕円形の穴を開けて出入り口としている場合には入り口柱と呼びます。
個人や家族の関係した特別な出来事や行事を記念する意味があり、紋章や出来事などを象徴的に彫り込むことが特徴です。