ハワイの伝統航海術で世界一周を成し遂げたカヌー「ホクレア」とは?
「ホクレア」とは、ポリネシアに伝わる伝統航海術を使い、世界一周を成し遂げたカヌーのことです。
ハワイの伝統文化の象徴であり、ハワイの誇りともいえるカヌー「ホクレア」は、ハワイ好きな方であれば耳にしたことがある名称かもしれません。
そこで、ハワイの伝統航海術で世界一周を成し遂げたカヌー「ホクレア」について紹介していきます。
ハワイの航海カヌー「ホクレア」とは
ハワイの伝統航海カヌー「ホクレア」とは、伝統航海術による双胴船です。
コンパスなどの計器は一切使わずに、星・太陽・波・風の変化など自然が与えてくれるヒントだけを使った航海術であり、一度は失われた伝統文化でしたが1975年に復活しました。
40年以上に渡ってハワイから太平洋の島々など、世界を一周する航海で30万キロ程度、その距離は地球7周分の距離です。
その長い航海をしてきたホクレアは、ハワイ伝統文化の象徴であり、ハワイの誇りともいえます。
ホクレアの特徴
1975年にアメリカ合衆国建国200周年記念事業として建造されたホクレアは、ポリネシア人が大洋を航行し他の島に渡った航海を再現することを目的としてつくられました。
合板にFRPという強化プラスチックをコーティングした全長19メートルの2つの船体を平行につなげた双胴船で、クルーが休む休憩部屋なども作られています。
動力は使わずに風の力のみで航行する船で、喜びの星とも呼ばれるうしかい座の1等星「アークトゥルス」を名称の由来とするようです。
ホクレアの航海方法
ホクレアは、方位磁石・六分儀・速度計などの近代計器は一切使用しません。
星・太陽・月・うねり・風・雲・野生動物など様々な自然の動きや様子から航路へと導いていきます。
星は方角を確実に知る方法として知られているものの、たとえば雨天や雲が多い夜などには観察しにくい場合も多いことや、日中には目にすることもできないといった特徴があります。
そのため航海中には、星以外の自然から発せられるサインをどのように読み取るかが大切になると考えられるでしょう。
ホクレアは、通常の航海の方法と違って、太陽や月の動きにうねりのパターン、風や雲など天候の変化などを読み取ることが必要であるため、航海術師も自然を観察する能力だけでなく身体的に研ぎすまされた感覚が必要となります。
自然のサインを1日数千ほど観察しつつ、それぞれを読み解いて針路を見出すことが必要です。