アウトリガーカヌーとは?歴史や特徴・魅力を簡単に紹介

アウトリガーカヌーとは、カヌー本体の脇へアウトリガーと呼ばれる浮子をつけたカヌーです。
安定性を高めていることが特徴であり、これまでポリネシアやミクロネシアの太平洋の島々で使用されていました。
ハワイやタヒチなどでは、航海や漁業に使われてきた歴史もあります。
そこで、アウトリガーカヌーについて、歴史や特徴、魅力を簡単に紹介します。
アウトリガーカヌーとは
アウトリガーカヌーとは、南太平洋などで使用されるカヌーです。
安定性を増すために、カヌー本体の片脇や両脇に、アウトリガー(浮子)が張り出しています。
アウトリガーは、ポリネシア諸語やミクロネシア諸語でアマとよばれており、アマを装備したアウトリガーカヌーは以下の言葉で次の呼ばれ方をしています。
・タヒチ語…ヴァア (va’a)
・ハワイ語…ワァ (wa’a)
・マオリ語…ワカ (waka)・ヴァカ (vaka)
アウトリガーカヌーの歴史
アウトリガーカヌーは、ハワイで開催されたレースイベントで使用されていました。
太平洋の島々では、かつて宗教的な意義を持つ、カヌー競争が盛んだったようです。
島や集落には屈強な若者を揃えて、先祖や豊穣の祈りを込めてアウトリガーカヌーの競争に臨んだとされています。
その後、キリスト教の教えにより、旧来の文化は否定されてしまい、抑圧の時代がカヌー競争の伝統を消し去ったようです。
しかし、一旦滅びかけたアウトリガーカヌーの文化は、ハワイが観光地に発展した20世紀に入ってから復活し、舟に乗って海を楽しむことが多くなりました。
現在のハワイでは、アウトリガーカヌーのレースイベントが盛んに行われています。
アウトリガーカヌーの特徴
アウトリガーカヌーは、もともとポリネシア人が島から島へ移動するときの手段として使用していました。
現在ではレースイベントが開催されていますが、スポーツとしての特徴は、小さな子どもから高齢者まで、力の弱い方や体力が衰えた方でも安心して楽しめることです。
また、6人で力を合わせて漕ぐため、想像していたよりもスピードが出てスリリングな気分を味わえます。
アウトリガーカヌーの魅力
アウトリガーカヌーは、現在、レースなどを楽しむスポーツとなりました。
競技としての興奮と、自然との調和を楽しめることが特徴であり、様々な距離や形式で行われます。
漕手が力強い漕ぎを繰り出しながら、複数でタイミングを合わせて進まなければなりません。
ただチームで息を合わせればよいだけでなく、風や波の状況を読みつつ、最適なルートを選ばなければならないため、頭も使うことが特徴です。