瑞龍寺のパワースポットを巡る
昔は夜行列車に乗っていくのが常だった首都圏と富山地区のアクセスは、今ではスマートな新幹線がストレートで結び、これら二地区の距離は縮みました。北陸三県のうち東側に位置する富山は、立山連峰や日本海の蜃気楼などが有名です。今回は、富山の西側に位置する瑞龍寺のパワースポットについて紹介しましょう。
西部地区の観光資源の一つ
富山県西部の自治体といえば射水や小矢部が代表的ですが、高岡は新幹線の駅が街の郊外地区に位置しており、周囲には民家と農耕地区がバランスよく保たれています。中心部から車で少し進むと、富山県道58号線の芳野の交差点を右折すると八丁道と呼ばれる街道で、とてもよく整備された道を西へ進んだ先にあるのが「瑞龍寺」です。
この高岡の地を開祖したのは、加賀藩(現石川県)を治めている前田家二代目の前田利長公によるものです。京都の本能寺で起きた謀反により、明智光秀公によって倒された織田信長らを追悼する目的で、金沢で創建した法円寺が始まりでした。
1613年、高岡城の開城と同時にこの地へと移転したもののその翌年に利長公は逝去し、後継者となった前田利常公により先代の法名を踏襲する形で今の名称へと改められました。法堂や仏殿、山門が国宝指定を受けたのは1997年であり、総門や大茶堂や大庫裏などが重要文化財としてそれぞれ認可されているため、富山県唯一とされています。
歌のタイトルではないからね
パワースポットとしては本寺で一番古い仏像である木造烏蒭沙魔明王立像が祀られており、東司、つまりトイレの守り神を意味しています。札を目よりも高い位置に張り付けてからトイレ掃除をすることで、不浄を払いのける効力を持っていると言われています。
ご利益は安産成就や子孫繁栄、病気平癒といった効力があるといわれているため、主に病気で悩んでいる方々が訪れています。「パワースポット巡りなのにどうしてトイレの掃除をしなければならないんだ」と、初めて訪れた方は疑問を感じるでしょう。
しかし、家の掃除を思い出していただくとトイレを掃除することは、人間にとって大変重要な場所であり、常にきれいにしておかなければ幸せはやってこないともされています。不浄を払う神聖な場所としても位置付けられていますので、その守り神は越中富山の高岡が総本山的役割を果たしています。
瑞龍寺を見てみよう
入場口にある本寺の配置図に注目してみましょう。各堂の位置は人体に換算すると主な部分に当てはまるようになっているのが特徴です。山門が下腹部で仏殿が胸部、そして法堂が頭部にそれぞれ当てはまるため、このような配置は全国の仏閣を見ても珍しいケースです。
城端線が法堂の裏側に位置しているため、こちらは人間の頭の一番上として考えてもよいでしょう。もう少し紹介するならば、山門をくぐる先にあるものは厳かで広々としながらも美しい芝生に囲まれている空間が圧巻です。
仏殿に入ると堂宇が力強い存在感を漂わせており、目の前にある灯篭が等間隔できれいに並んでいます。法堂へと向かうと前田利長公の位牌があるほか天井画や欄間等が素晴らしく、来る人々を迎え入れてくれるでしょう。
最後に
所在地や交通アクセスについて紹介しておきましょう。
・住所:〒933-0863 富山県高岡市関本町35番地
・お問合せ先:0766-22-0179
・参拝可能時間:9:00~16:30(12月10日から1月は16:00まで)
・拝観料:大人500円、子供100円※ただし中高生は400円
・交通アクセス
JR城端(氷見)線高岡から徒歩16分
あいの里とやま鉄道線高岡から徒歩17分
JR北陸新幹線新高岡から徒歩14分
・備考:駐車場有
まとめ
富山県唯一の国宝である瑞龍寺ですが、トイレのパワースポットとしての位置づけが強く、不浄を流す場所をきれいにしておくとご利益に恵まれるといわれています。歌のタイトルだけだろうと考えず、実際に訪問してみると広々とした空間に癒されるでしょう。