海外旅行保険

渡航先でのケガや病気に対する治療費、他人にケガを負わせた場合や他人の物を壊した場合の損害賠償責任、携行品の破損や盗難などを補償する保険が「海外旅行保険」です。

保険会社によっては、飛行機に預けておいた荷物が行方不明になった時の身の回りのものを購入した費用、飛行機の遅延や欠航で負担した宿泊費や食事代、旅行中に家族に万一のことがあり急な帰国を要する際の費用などを補償するプランもあります。

海外旅行は予想できなかった問題が起きる可能性もありますので、安心して楽しむためにも加入しておくことが重要です。

Step1. 海外旅行は思いがけない事故や病気の可能性がある

海外旅行中に万全の注意を払っていたとしても、旅先の事件や事故に巻き込まれる可能性はゼロではありません。

また、長い移動や時差の違い、異なる環境などでストレスや疲労が溜まり、思いがけない病気を発症する可能性もあります。

交通状況などが日本と異なることで、バスや列車などの事故にいつどこで巻き込まれるかもわからないということも認識しておくことが必要です。

Step2. 海外旅行保険の補償内容とは

海外旅行保険はこのようなトラブルに対応する保険ですが、保険会社によって補償内容は異なるものの一般的には次のようなケースで補償されます。

2-1. ケガや病気の補償

・旅行中の傷害や疾病による死亡
・傷害による後遺障害が生じた場合
・ケガや病気の治療に必要な治療・入院の費用
・旅行中のケガや病気での入院や死亡により、家族が現地に向かう場合の移動交通費など

2-2. 他人や他人の物に対する賠償責任への補償

・旅行中に偶然な事故で他人や他人の物に損害を与え法律上の賠償責任を負った場合の損害賠償金

2-3. 自分の持ち物の補償

・旅行中の盗難や破損、災害など偶然な事故で携行品が損害を受けた場合の修理費(もしくは時価額のどちらか低い金額)

2-4. その他の補償

・航空会社の手荷物の到着が所定時間以上遅れたことにより身の回り品を購入した費用
・飛行機が遅延したことで発生した臨時の宿泊費や食事代、移動のタクシー代などの費用
・海外旅行を途中で取り辞めて帰国した場合の補償
・旅行中の偶然な事故により被害者となった場合の弁護士相談費用や弁護士報酬
・所定のテロ行為で保険期間をオーバーした場合の補償

Step3. 海外旅行保険のプラン

海外旅行保険の中でも基本契約と特約がセットになっているプランは、旅行者に必要な補償がほとんどカバーされているので色々考えずに加入しやすいでしょう。

一般的にはこのタイプに加入するケースが多いのですが、例えば高額な持ち物を持っていないのに100万円の携行品損害の補償は必要ないケースもあります。

このような場合には個々に保険金額を設定するフリープランを選択すると、無駄な保険料を省くこともできるでしょう。

また、保険会社によっては家族で加入できるファミリープランや、友人などを入れて最大10人まで同時加入が可能のグループ旅行プランなどを提供しているところもありますし、2回目からの契約は割引制度を設けるなど特徴は様々です。

Step4. 海外旅行保険を選ぶ時の注意点

どの保険会社でも海外旅行保険の保険料はそれほど変わらないことが一般的でした。しかし現在では差が見られる場合もありますので、保険会社ごとの補償や保険料を比較した上で検討してみましょう。

仮に渡航先でケガや病気による通院や入院があった場合、自分でそのお金を払うことなく保険会社が手続きを代行して行ってくれるキャッシュレス対応になっているのか、診察や治療を受けることができる病院がどの程度存在するかという部分もどの保険会社を選ぶかの基準となります。

ほとんどの保険会社で24時間日本語サービスを実施していますので、その他の補償内容も併せて確認してみると良いでしょう。

Step5. クレジットカードの海外旅行傷害保険特約でも大丈夫?

クレジットカードにも海外旅行傷害保険特約が付帯されているものがありますが、補償される限度額や補償内容、条件、範囲など、それぞれカードによって異なるので内容を確認しておくことが必要です。

補償内容を確認していなかったことで、疾病死亡補償が補償されなかったというケースや、補償金額に不足が生じ自己負担をしたというケース、さらには旅行代金をカード決済していなければ保険の対象にならないといったことも起こりうると言えるでしょう。

なお、特約が付帯されたカードを複数枚所有している場合でも補償金額が合算されるとも限りません。補償が充実している場合には、カード付帯部分の上乗せとして海外旅行保険を検討するという方法も検討して良いでしょう。

Step6. 海外旅行保険の加入方法

保険会社のホームページや旅行会社のカウンター、空港などでも申込みは可能です。ただし、わざわざ手続きをすることが面倒なので、保険の加入もまとめて空港で行うということはお勧めできません。

先に自宅を出発する前に加入しておくことにより、家を出てから空港に到着するまでの国内で起きた事故に対しても補償を受けることができます。

Step7. 海外旅行保険の請求方法

海外旅行中の事故や盗難に遭った場合、ケガや病気などの際は、保険の請求が必要になります。まず事故が発生したら早めに現地または日本の保険会社の窓口へと連絡を入れ、必要な書類などについても確認しておきましょう。

通常必要になる書類として、医師の診断書、治療費の明細、支払いの領収書、警察への盗難届出証明書、第三者の事故証明書などが挙げられます。

Step8. 安心して旅を楽しむためにも

海外旅行保険は海外旅行をする準備の1つとして考えましょう。旅行中のスケジュールばかりに気を取られるのではなく、万一何か合った時のトラブルに対応できる体制を整えておくことで、安心感のある楽しい旅を満喫できるでしょう。